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篠笛その3 笛の身体

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代々続く仕事を持つ家に生まれた人というのは、その仕事に適した身体に生まれつくものなんだろうか。歌舞伎役者の目が鋭いのも、能役者の足元がコンパクトなのも、篠笛奏者の口もとがキュッとおちょぼ口なのも。いや、身体が(あるいはそのDNAが)仕事を選んでいるのかもしれない。あるいは小さいころからの稽古によって身体が作られていくのかもしれないのだが、それにしても現在舞台で目にする篠笛奏者、特に男性の方は、揃いも揃って美しい指と美しい唇をお持ちで。しかも皆様、源氏物語に出てきそうな高貴なお顔立ちで・・・。

 

 

篠笛のお稽古3回目、20秒も吹いたら頭がくらくらしてきた私は、寛先生の美しさに現実逃避していた。このコーナーで、毎回「先生が美しーー!!」と叫んでいる気がするが、伝統芸能のプロの方に習う醍醐味の一つは、やはりここでしょう。様式美の中で生きる舞台人の、日常の空気感に入らせてもらう、ということ。
先生の手元、目元、口元。そのあたりの漠とした美しさ。あぁ、その身体から紡ぎだされる音色が巡り巡って身体の佇まいをつくっているのかもしれない、なんて音色の虹を妄想する。篠笛奏者の方が、共通して雅な空気感を持っているのは、天と地の間を自在に舞う天女の衣のような音色に四六時中浸っているからかもしれない。(妄想過激!?)

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邦楽の篠笛の音色、聴いたことありますか?
ぜひ演奏会で聴いてみてください。
祭囃子とも歌舞伎で聴くのとも異なる世界です。
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何をされていても、美しいお手元・・・

何をされていても、美しいお手元・・・

 

ということで、篠笛のお稽古。
ボッチャリな身体を授かった私は、やっぱ、合わないんじゃなかろうか。短い指では、穴をふさげないし。緩んだ唇は、ブーブー風を吹き込むばかり。比較的やわらかい息で済む呂(りょ)の音(低音)ならともかく、オクターブ上の甲(かん)の音は鋭い息を必要とするため、全くお手上げだ。知らずしらず力む。そうなると簡単に、ホント10秒もしないでクラクラになるんですね、人間って。先生曰く、これは酸欠ではなく、酸素を吸い過ぎている状態のよう。しばらく俯いて、苦しいような、ハイになって気持ち良いような時間を過ごし、また挑むしかないのだ。
というか、挑むという戦闘状態が、そも、いけないのかしら。
笛と馴染んで一体になっていく。風のただ中で風と一体になるような、そんな感覚が必要なのかもしれない。抗うなということか。
どうやることやら、乞うご期待! いや、乞わない! そっと見守って~(汗)

こんなアイテムの集合が、またグッとくる。

こんなアイテムの集合が、またグッとくる。

 

(by ここん管理人K)

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