© ここん All rights reserved.

小鼓 その1 高砂の待謡に挑戦!の巻

様々なジャンルの先生方にお試し入門し、おけいこの様子をつまびらかにレポートする本コーナー、次なるターゲットは小鼓です!
小鼓はお囃子の一つとして、さまざまな伝統芸能で耳にする機会があります。イヨ〜ッ、ポン! のあの楽器。あの「イヨ〜」が1度やってみたかった。

というわけで、能楽囃子方大倉流小鼓方宗家・大倉源次郎先生の門をたたきました。いきなりご宗家に直撃。素人は怖いもの知らずです。はい。

能楽囃子方大倉流小鼓方宗家・大倉源次郎先生。素敵すぎです♡

大倉源次郎先生。素敵すぎです♡

おけいこは全4回。高砂の待謡(まちうたい)の部分をマスターするまでがゴールです。ご宗家のおけいこということで、やや緊張の面持ちで迎えた初回。いきなり鼓を持つ前に、まずは「エアー鼓」で練習です。左手をグーにして右手のてのひらで受け、そのまま右肩へのせる。そして右手で打つ。
_MG_8454

譜面はこちら。
_MG_8460

囃子方というのは楽器を鳴らすだけでなく、かけ声をかけるのも重要な役割。小鼓の場合、この掛け声には「ヤ」「ハ」「イヤ」の3種類あり、譜面にしっかり表記されています。即興で発しているのではなく、すべて決められているのですね~。
ちなみに、「ヤ」と記されているからといって「ヤァ」とかけ声を出すのではなく、「ヨォ」と発音します。「ハ」は「ホォ」。これが初心者にはなんとも紛らわしい。目で見た文字をついついそのまま発音し、「ヤァ!」とか「ハァ!」とか、間抜けな掛け声が出てしまう。ちなみに「イヤ」はそのまま「イヤー」。ここで初めて能の場合は「イヨ~ッ、ポン!」ではなく、「イヤーッ、ポン!」であったことを知ったのでありました。

さて、エアー鼓で何度か練習をしたら、実際に鼓を持ってみます。驚いたことに練習用の小鼓ではありません。先生が実際にお舞台で使うこともある小鼓です。皮は300年くらい経ったもの、胴は安土桃山時代のものもあるとか。ひえ~。

おそるおそる持ち上げ、かまえ、そして打ってみます。

……鳴りません。

300年と聞いて遠慮が立ちすぎたか。
もう一度、打ってみます。

……鳴りません。

指があたる音がするばかりで、鼓の音色とはほど遠い。
比べるのも何ですが、源次郎先生の音は花が開く瞬間のような、広がりと奥行きを感じるのに、我々が打つと伸びきったゴムのような、なんとも間の抜けた音がむなしく響くばかり…。
指先から打ちに行くのではなく、後ろに物を放り投げるようにてのひらを鼓の縁に当て、その結果として指が皮に当たる、というようなイメージで、と先生はおっしゃるのだけど、指先の力を抜くことがなかなか難しい。抜いているつもりで抜けていないのが力かな。(字余り)

さて突然ですが、ここで、我々の課題曲「高砂」の待謡のお手本をお聞きいただきましょう。
_MG_8711

これを4回のおけいこでマスターできるのか。乞うご期待!

>>小鼓 その2 能、愛してる。

 

協力:風水月舎

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

長唄三味線その1 ゴールは遠く、果てしなく

過去のものの良さを勉強して 知るようになって 自分のものにして 自分がそういうものから 特別な愉しみを得ること 伝統は時々…

長唄三味線 おけいこ前のひと騒動

昨年夏の暑~い長唄おけいこを終えて、はや数ヶ月。間もなく「おけいこの時間」新シリーズが始まります。続いて我々が挑戦するのは、長唄三味線! …

日本舞踊その2 身体で覚える

Text by ゲストメンバーS 踊りというものは動作を言葉で説明するとどこか失われるものがあり、書類で残すことはできません。つまり頭で覚…

長唄三味線その10 譜面には書かれていないこと

Text by ここんM 三味線のお稽古が始まって早4か月が経ちました。 近頃の我々が直面しているのは、譜面には書かれていないことがたくさ…

篠笛その2 さりげなく寄り添うように

篠笛のおけいこ、2回目。 おけいこ場に着いたら、腕時計や指輪などアクセサリーをはずします。 なぜなら、1回目のおけいこの際、寛先生からこんな…

長唄三味線その6 おけいこの合間に

Text by ここんN 4月。新しい環境での暮らしが始まった方もいらっしゃるでしょうか。ここんの面々も仕事や家庭、学校のスケジュールを少…

能楽その7 思わぬ人生の拾い物

おけいこも残すところあと3回。 おさらい会の日が着々と近づいてまいりました。ひゃー! 謡は「連吟(れんぎん)」といって、複数人で一緒にうた…

篠笛その8 自分を捨てる

一向に進歩が見られないまま、とうとう篠笛のおけいこも最終回。 最後はそれまでの成果を一人一人発表するプチおさらい会の形で行われた。 演奏する…

小鼓 その3 伝統芸能と伝統工芸

小鼓は胴の部分と皮の部分とに分解できる楽器です。使う前に組み立て、しまうときにはバラす。おけいこのときも、毎回、源次郎先生の書生さんが私たち…

能楽その3 お仕舞いと日本舞踊の共通点は「肩」にアリ?!

「今まで何回、能を見に行ったことがある?」と聞かれたら、「3回です」とハッキリ答えることができてしまうくらい、能にほとんど縁…

長唄三味線その12 ゴールは遠く、果てしなく ~again~

Text by : ここんゲストメンバーM このところ、お稽古からの帰り道は決まって、「もう夏ですねぇ」「最初のお稽古の頃はコート着てたも…

小鼓 その4 玄人が素人に与えてくれるもの

数年前、能を習っている友人が発表会に出ると聞いて、初めて伝統芸能の素人会というものに行ってみた。正直、たどたどしい芸が延々と続く“発表会”は…

長唄三味線その11 おかしいなぁ…

今年1月から取り組んできた我々のおけいこも、とうとう大詰め。 やはり締めくくりは発表会でしょう、ということで、 この度もおけいこの成果を披露…

長唄その5 口遊(ずさ)むは長唄 ~いつでも前向き~

さて!お稽古5回目。気づけばもう後半に突入。今日も和の響きに触れられる嬉しさ。 でも、呑気にウキウキしているだけではダメダメ。 わたしたちに…

長唄三味線その9 助手をください

Text by ここんN 初春から始まった越後獅子との格闘も、夏を前にしてようやく先生が抜粋してくださった部分をひと通り浚い終えました。曲…

ページ上部へ戻る