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日本舞踊その2 身体で覚える

Text by ゲストメンバーS

踊りというものは動作を言葉で説明するとどこか失われるものがあり、書類で残すことはできません。つまり頭で覚えるものでなく、身体で覚えるものだということ。つまりやるっきゃない!

nihonbuyo2_002かくして迎えた2回目のおけいこ。
この日もまずは基本的な動作の練習からスタートしました。菊之丞先生の佇まいは美しく、見るたびに透き通った風が駆け抜けるようで心が潤います。
ただお話されているだけでもそうなのに、「この動きは踊りの中でこう使われます。」と数秒先生が舞われると、思わず「好きです。」と告白しそうになってしまいます。要注意。

「やっとんとん、やっとんとん、やっとんやっとん、やっとんとん。」

手の動きと足の踏み鳴らしの練習です。手は流れるように、足踏みは力強く、しかし力まずリズムに乗って。パッと見簡単そうなのに何故かタイミングが合わず、チグハグに。からくり風味の動きになってしまいます。

次に足を肩幅に開き、擦りながら左右にひねる。これがまた難しい。
ただ平行にツイストするのではなく、右を向けば左の、左を向けば右の踵が自然に上がるよう、重心は指の付け根にしっかり乗ります。回りたいのだけど床と密着していたい。ちょっとした葛藤を抱えながらズーリズーリ。

バレエなどの西洋の踊りは重力に逆らうように体を引き上げて使い、アジアや日本の踊りは地への愛着、豊作への祈りなどから重心を下にもって踊るそうです。
基本の動きひとつとっても受け継がれてきた歴史があるのだと胸を打たれつつ、手と足を連動させるのに四苦八苦していると、「それじゃちょっと踊ってみましょう」と先生。

なんと常磐津の「屋敷娘」という曲の一節をやってみることに。

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nihonbuyo2_05私たちが教えていただいたのは「クドキ」と呼ばれる女性の心情を吐露する部分で、お屋敷に勤めている若い娘さん(16,7歳くらい)が休暇をもらい、実家に帰る道すがら、以前見染めた男性を見つけて恋い焦がれる。そんなシーンとのこと。

「気持ちが大事ですからね」と先生。

実年齢はさておき、踊りの中の私たちは16,7歳。ニキビだってアクセサリーの少女ど真ん中なのです。

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しかし、肩に顎を寄せる動きや、普段やったことのないしとやかな首の傾げ具合についつい照れてしまう我々。

この娘さんはふと幕の向こう側に意中の男性を見つけ、「嬉しい!」とぐっと覗き込んだかと思うと、「恥ずかしい!」と一歩下がって隠れます。廊下を曲がった先で憧れの先輩を見つけて、「きゃ♡」と思わず戻ってしまう青春の甘酸っぱさ。清涼飲料水のCMさながらです。恋に昔も今もないのね。うふふ。

振りを教えてくださる間、先生は同じ方向を向いてやってくださったり、鏡のように動いて見せてくださったり(当たり前なのかもしれませんが、瞬時にどちらの向きにも切り替えられるってすごい!)、何度も繰り返し一緒に動いて教えてくれます。

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その時はただただ必死に真似するばかりでしたが、帰り道、ふとこうして踊り継がれてきたのかしらと思うと、普段使っていない筋肉の痛みが嬉しく感じる2回目なのでした。


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