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能楽その1 中世日本人の身体運用を体感?!

伝統芸能を100倍楽しむには、慣れるより習え?!
様々なジャンルの先生方にお試し入門し、おけいこの様子をつまびらかにレポートする本コーナー、初回を飾るのはお能です!

SONY DSC教えてくださるのは喜多流シテ方能楽師の大島輝久(おおしま・てるひさ)先生。若手で群を抜く実力の持ち主です。
お能のおけいこには、声楽部分の謡(うたい)と動作部分の仕舞い(しまい)の2つの要素があり、どちらか1つだけ習う人もいれば、両方習う人もいます。
とは言え、仕舞いを舞うためには謡がある程度頭に入っている必要があるので、両方やるほうが上達も早い。我らもここは貪欲に!と両方習うことにしました。

★習う曲…「西王母(せいおうぼ)」
西王母は中国に伝わる女神のこと。皇帝のお祝いの席に西王母が千年の寿命が得られるという桃の実を捧げ、天に戻っていく、「西王母」はざっくり言うとそういう場面です。1回1時間、全10回のおけいこで一曲仕上げるまでがゴール。がんばるぞ、おー!

★マストアイテム…白足袋、扇

おけいこに必要なのは当面は上記の2つ。特に白足袋は必須です。洋服で参加の場合でも、おけいこ前に靴下から足袋に履き替えます。服装は基本動きやすければなんでもOKで、会社帰りに洋服で参加するメンバーもいれば、浴衣や着物でおけいこを受けるメンバーも。扇は今回は先生からお借りしたものを使わせていただくことに。

おけいこといえど神聖な空間に足を踏み入れるので、穢れのない白い足袋を着用するのがルール

おけいこといえど神聖な空間に足を踏み入れるので、穢れのない白い足袋を着用するのがルール

 

★おけいこ代
大島先生のおけいこ場では4名のグループけいこで1回1人3,000円+けいこ場代が別途1回1,000円。けいこ場代は4名で持ち回りにしました。

★おけいこ内容

記憶力だけに頼るのは甚だ心許ないの で、ボイスレコーダーで録音して家で復習します。

記憶力だけに頼るのは甚だ心許ないの で、ボイスレコーダーで録音して家で復習します。

レッスン前半は謡のおけいこ。
謡本(うたいぼん)のコピーを見ながら、先生と一緒にうたいます。
た、達筆すぎて読みにくい…。それにト書きのようなものがところどころに書かれています。これは「ごま点」といい、節やリズムを記した楽譜みたいなもの。楽譜 と違ってごま点はおおよそのガイドラインでしかなく、基本的には先生がうたうのをひたすら真似して覚えていきます。
後半は仕舞いのおけいこ。初回は基本的な構え方、足の運び方、扇の扱い方などを教わりました。お能の動きは重心は常に前です。立っているだけでもすごい前のめり。

おけいこ場はこちら。鏡板(背景の松が描かれた壁のこと)のある立派なところです。下手でもうまく見えそうな、素敵空間。

おけいこ場はこちら。鏡板(背景の松が描かれた壁のこと)のある立派なところです。下手でもうまく見えそうな、素敵空間。

武道家の内田樹氏が以前雑誌の記事で、「中世日本人の身体運用を今に伝えるものとして思いつくのは、茶の湯と禅と能楽の三つ」だと書いていたことがありま す。右手と右足が一緒に出るなど、現代の身体運用とは大きく異なるし、陰陽の思想なんかも随所に感じられ、「昔の日本人はこんなふうに身体を動かしていた のかしら」などと思いを馳せておりました。

「お能は観るより実際にやるほうが面白いかも!」というのが、最初のおけいこを終えての感想。これまで何回か舞台に足を運んだことはありましたが、1回のおけいこのほうがぐっとお能が近く感じられました。なんだかお能と仲良くなれそうな予感♪

基本の構え。樽を抱えているような感覚で自分の内部に小宇宙を作るようなイメージで(?!)

基本の構え。樽を抱えているような感覚で自分の内部に小宇宙を作るようなイメージで(?!)

 

つづく。

(by ここん管理人2号)

能楽その2 無心に「謡う」>>
 

協力:風水月舎

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