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長唄三味線その13 半年ののち、たどり着いた世界

Text by ここんK

1月から半年間・19回を重ねてきたお稽古も、ついに最後。

さびしいです…。

思い起こせば、開始前は「三味線はとにかく難しくて挫折してしまう人も多い」と聞いていたこともあり、気後れしていた部分もありました。でも始まってしまえば、難しくとも、ただただ楽しかった。私たちが集団稽古だったことも功を奏したのかもしれません。みんなで教え合い、難しさも楽しさも共有し、ここまで一気に来た感じです。それに、忙しかったり落ち込んだ時に、無心に三味線を弾くことで瞑想効果を得ていた私にとって、三味線はもはや相棒になっていました。

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少しセンチメンタルにはなりつつも、とにかく発表会を目前に控え、みんな自宅練習にも力が入ってます。
栄八郎先生が「絶対楽しいから」と選曲してくれた『越後獅子』。♪ちん・とん・しゃん…なんて風情はありません。ジャカジャカ弾きます。となると、みんなの三味線にも努力の証が。
張り替えたばかりの弦がすでに毛羽立っていたり、皮を補強する「撥皮(ばちかわ)」がはがれてきたりして、稽古最終日の栄八郎先生は、お稽古をするだけでなく、楽器のメンテにも忙しい。
もう何から何までおんぶにだっこで、メンバー6人全員が完全に先生の背中にどさっと乗っかって、発表会へと突き進むのです。

 

 

お稽古最後の「越後獅子」は、本番さながら、私たちの本手(主旋律)に先生の替手(副旋律)が入って、ハイスピードで一気に1曲を通しました。まだ間違いはあるし、音楽的な未熟さは目立ちますが、「越後獅子」の醍醐味である疾走感は達成!先生の鮮やかな替手が加わって、三味線7挺の合奏の音圧と立体感に、演奏しながらも鳥肌が…。栄八郎先生が「絶対楽しい」と我々をここまで引っ張り上げてくださり、最終日、稽古初日には考えられなかった世界に、私たちはいました。

「うん、まぁいいでしょ」と先生。やった!

ちなみに、発表会ではもう1曲「宵は待ち」を披露します。三味線では手習い曲ながら、想い人と夜を過ごし、夜が明けていくのがうらめしい…という、しっとりと艶っぽい曲。稽古最終日は、私達も雰囲気を出すべく、しっ…とり…と演奏したら、栄八郎先生の一撃:「もっとしっかり音を出して。色気を出すのはまだ早い」。

チーン。

こうして、半年間通った荒木町のお稽古は終了しました。お稽古場を提供いただいた「穏の座」さん、ありがとうございました!そして、魅惑の街・荒木町で呑む稽古後の一杯、最高でした!

さぁ、いよいよ発表会です。

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〈ちょっとお知らせ〉
その発表会、単に我々の発表だけしてもつまらないよねということで・・・。
開催します!「弟子フェス2016 in神楽坂」!!
いろんな伝統芸能お稽古をしている素人を集め、呑めや唄えやで楽しくやっちゃおうというもの。コンセプトは、「宴、それは素人の舞台(ステージ)」。
今回は非公開の開催ですが、何がどうなるかは、最終レポートをご期待ください!
※「弟子フェス」はここんが考案した名称ですが、お稽古文化を盛り上げるべく、広くみなさまに使っていただき、一般名詞化を目指しています!素人・玄人・広告代理店・プロモーター等の皆様、どしどし使ってください!(採用の際は、ご一報いただけると嬉しいです♪)


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楽器協力:株式会社SEION
稽古場協力:穏の座

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