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長唄その10 あっという間のリハーサル

(※もう冬ですが、夏の終わりの記憶を振り返っております)
今年の夏は暑かった!
東京では観測史上最も長く猛暑日が続くなど、記録的な暑さだったのは周知のこと。
そこへ長唄が、私の夏をさらに「熱く」してくれました。
長唄を口ずさまない日はなかったのではないかと思えるほど、このひと夏は長唄とともにありました。
何か一つ目標に向けて仲間と日々励むことが、こんなに楽しく清々しい気持ちになるものだとは。
学校を卒業して十数年後に再び訪れた、青春の香りとでもいいましょうか!?

さて、そんな長唄おけいこも、夏の終わりとともに、いよいよクライマックスである「浴衣会」を迎えようとしています。
この日は浴衣会のリハーサルのために、いつものおけいこ場にやってきました。

おけいこ場に入ると、他の生徒さんがリハーサルをしています。
その様子を壁際から真剣に眺める、ここんの面々。リハーサルとはいえ、いつもと違う空気に、みんな若干緊張した面持ちです。

いよいよ私たちの番になりました。
三味線を弾いてくださるお二人の後ろに、本番通りの並びで正座します。
政子先生以外の方が弾く三味線に合わせて唄うのは初めてです。
いつも正面で三味線を弾いている政子先生の姿が目の前にないだけで、なんだかソワソワ。
自宅でも繰り返し練習してきましたが、出だしのタイミングがずれたり、高音で声が裏返りそうになったり、まだ不安な点がいくつかあります。
リハーサルとはいえ失敗したくないと思うと、緊張で唾をゴクリ。
さぁ、三味線の演奏が始まりました!

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そして・・・リハーサルは終わりました、あっという間に。
いつもの倍くらいのスピードで時間が過ぎていって、気が付いたら一曲終わっていたような感覚です。
同じように感じていたのは、どうやら私だけではない様子。みんな口々に、おけいこの時よりも、自分の分け口が回ってくるのが早く感じたと言っていました。
まさに「供奴」らしく、駆け抜けた!という感じでしょうか。
日程の都合で発表会当日は出られないメンバーも、リハーサルを見守ってくれていたのですが、彼女が発した「雰囲気に呑まれて終わったね」と言う冷静な評が、一言でズバリ言い得ていて、可笑しくなりました。
まだリハーサルで本番でもないのに、こんなに雰囲気や唄った感じが普段のおけいこと違うものになるとは思っていませんでした。
浴衣会では一体どうなるんだろう? 楽しみと不安が半々です。

おけいこ場を後にする時、3ヶ月間通ったこの部屋に来るのもこれが最後なのだと思うと、しんみりした気持ちが湧いてきました。
どんなに名残惜しくても、不安でも、浴衣会までは、あと4日です。
本番の舞台で、私たちの「供奴」は、元気いっぱい最後まで駆け抜けることができるでしょうか。
乞うご期待です!

ここん飛び入り部員つぼ

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