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長唄その2 「楽しい」因、同時に「難所」は抑揚だったか!

邦楽初心者。長唄には歌舞伎や踊りの舞台でしか触れた事のない私が、お稽古に参加できるの!?
先生はどんな方?果たして私が唄えるようになるのかしら?始まる前からドッキドキでお稽古開始です。
長唄お稽古2-1


1回目のお稽古では、目の前で唄ってくださる先生の美声にテンションが上がりっぱなし。唄だけでなく、三味線も弾いてみたいな〜と、欲まで出てきてしまいます。目の前での生演奏はとにかくカッコいい!先生のお話も楽しくて、長唄への憧れは募る一方です。

さて、1回目のお稽古が終わって練習開始。通勤中にも先生のお手本音源を何度も聴いてみます。聴いていると不思議と口ずさみたくなるので、周りに人が居ない事を確認して、歩きながら呟いてみたりもして。既に気持ちだけは唄えるようになってきたので、実際にきちんと声を出して唄ってみると…不安定でふらふらとした、それでいてなんともひょうきんな感じのうめき声が虚しく部屋に響くのみ。これは長唄ではないような…(悲)

1つの単語、一音の中でも、低い音から高い音まで行ったり来たりしていて思った以上に難しいです。先生曰く、「供奴」のように、主人公の身分が低い場合は、音の高低の幅が広く、抑揚を付けて威勢良く唄うそうです(逆に、身分が高い場合には、あまり抑揚は付けずに唄うそうです)。私の場合、高い音のところでは、ノドからヒュ〜ヒュ〜と、苦しく息の漏れ聞こえる音がして、なんだか痛々しい。さらに、繰り返し練習をしていると、今度はノドが痛い!!!思いっきり力みながら唄っているようで、とにかくノドが痛い!これはいかん、と、練習は早々に終了です。

そんな不安な状態で迎える2回目のお稽古。初回は全員で一緒に唄っていたところ、今回は、宿題だった部分を隣同士2人ずつで唄う事に。人数が少ない分はっきりと分かってしまう1人1人の唄声。案の定、私は声が出ていない。しかも、息が続かなくて苦しいし、ノドは痛くなってくる。それでも、先生の伴奏に合わせて「発散系」の供奴を思いっきり唄うのはとっても楽しいので、なんとか少しは唄っぽく出来ればな〜。と、お稽古の最後に先生に相談です。「唄っているとノドが痛くなってしまいます」。すると先生から「声を後ろに引くように出してみてください」と、実演付きでアドバイスをいただきました。オペラ等はよく「頭の上から声を出すイメージ」と言われますが、政子先生の場合はノドの後ろの方に一度引くようなイメージで声を出すんだそうです。さらに複式呼吸で唄って良いという事と、なるべく身体に力を入れない状態で唄うのが良いとの事も。早速、家での練習では唄い方を変えてみます。

唄どころか元々ノドが弱くて大きな声を出す事すら困難な私も、先生のアドバイス通り、腹式呼吸を意識して声を後ろに引くように出す練習を繰り返した成果か、その次の週のお稽古では、「前回よりも声が出るようになりましたね。」と先生から嬉しいお言葉をいただきました。「はい!先生のアドバイスを意識したら、声が出しやすくなりました!」
長唄お稽古2-2

今はまだやっと声が出せるようになってきた所ですが、これからも邦楽らしい唄い方を探求してみたいなーと、行く道の楽しみは膨らむばかりです。

(ここん A)

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